手話は世界共通なの?実は国によって違う「手話」の世界
手話は世界共通なの?
「手話って、世界共通なの?」
手話を知らない人からすると、ふと気になる疑問かもしれません。
身振り手振りで表現するものだから、国が違ってもなんとなく通じそうなイメージがありますよね。でも、実は手話は世界共通ではありません。
日本には日本の手話があり、アメリカにはアメリカの手話があります。さらに、イギリスやフランスなど、それぞれの国や地域で異なる手話が使われています。
日本には「日本手話」がある
日本で使われている手話の代表的なものが「日本手話」です。日本語と同じように、手話にも独自の文法や表現があります。
そのため、単純に「日本語を手の動きに置き換えたもの」というわけではありません。
例えば、手話では手の形や動きだけでなく、顔の表情や体の向き、視線なども重要な要素になります。
つまり、手話は単なるジェスチャーではなく、ひとつの「言語」として成り立っているのです。
アメリカの手話は「ASL」
アメリカでは、主に**アメリカ手話(ASL:American Sign Language)**が使われています。ここで面白いのが、アメリカ手話は英語をそのまま手話にしたものではないということ。独自の文法を持つ、ひとつの言語です。
そして意外なことに、アメリカ手話とイギリス手話は大きく異なります。
「アメリカとイギリスはどちらも英語を話すのだから、手話も似ているのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
このことからも、手話が「話している言語を手で表現したもの」というだけではないことが分かります。では、外国の人とは手話で話せないの?
「手話が国によって違うなら、外国のろう者とはコミュニケーションできないの?」
そんな疑問も出てきますよね。そこで重要になるのが、**国際手話(International Sign)**です。
国際的な交流の場では、異なる手話を使う人同士がコミュニケーションするために、国際手話が使われることがあります。
ただし、国際手話も「世界中の人が共通で使っている、完全に統一された手話」というわけではありません。
国際的な場面で意思疎通をするための、さまざまな手話や表現を組み合わせたコミュニケーション手段として考えると分かりやすいでしょう。
「手話=ジェスチャー」ではない手話について知るうえで、ぜひ覚えておきたいのが、
手話は単なる身振りではないということです。
例えば、外国旅行で言葉が通じないとき、指をさしたり、身振りをしたりして何となく意思を伝えることがありますこれは「ジェスチャー」です。
一方、手話には文法があり、言葉としての構造があります。
手話を使って、自分の気持ちや考え、出来事などを具体的に表現することができます。
だからこそ、手話は「世界共通のジェスチャー」ではなく、それぞれの文化や歴史の中で発展してきた言語なのです。
手話にも「方言」がある?
さらに興味深いのが、手話にも地域による違いがあることです。
日本語にも大阪弁や博多弁、北海道の方言などがあるように、手話にも地域によって表現が異なる場合があります。
同じ意味でも、地域によって使われる手話表現が違うことがあるのです。
言葉と同じように、手話もその土地の文化や人々の交流の中で変化してきたんですね。
「世界共通じゃない」からこそ面白い手話は世界共通ではありません。
でも、それは「不便だからバラバラになっている」ということではありません。
それぞれの国や地域で、ろう者を中心としたコミュニティの中で手話が育ち、独自の文化や歴史と結びついてきた結果です。
手話を「手で話す日本語」とだけ考えるのではなく、独立した言語のひとつとして知ってみると、見えてくる世界が大きく変わります。
「手話は世界共通なの?」
という素朴な疑問から始めてみると、言語や文化の多様性について考えるきっかけにもなります。
もし街中やテレビなどで手話を見かけたら、「どんな意味かな?」だけではなく、「この表現にはどんな文化や背景があるんだろう?」と少し興味を持ってみるのも面白いかもしれません。

